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2006年03月07日

PNAS AOP

Relative spike timing in pairs of hippocampal neurons distinguishes the beginning and end of journeys
Matthew L. Shapiro and Janina Ferbinteanu

Shapiro ラボ。PNAS、Edited by Larry Squire。ラット、place cell。
今日のラボミーティングの文献紹介のネタでした。

十字迷路で、スタートアームは異なるけれどゴールアームは同じ、という課題を行います。たとえば、North → West あるいは South → West、という感じで。

それで、ゴールアームで、ほぼ同じ場所をコードしている2つの place cell(cellA、B とする)の発火タイミングの cross correlation をとったところ、North → West あるいは South → West というゴールに至る経路の違いによって、corros-correlation にシフトが生じる、という結果です(Fig 1C)。 (これを journey dependent な cross-correlation のシフトと言っています)。

では、このデータをどう解釈するか。

もし、完全に cell A と cell B のコードする place field が一致していたら、同期して発火することになるので cell A と B の発火タイミングの cross-correlation のピークは t = 0 のところに出てくるはずです。もし、cell A と cell B のコードする place field が少しずれていて、ラットが place field A → place field B の順に走ってきたとすると、当然 cell A のほうが B より早く発火し始めるので、cross-correlation のピークは、t = 0 の点よりずれるはずです。

つまり、place field が cell A と B で相対的にずれたら、その cross-correlation にはシフトが生じるわけです。

ここで、彼らの過去論文を思い出します。Ferbinteanu & Shapiro 2003 Neuron では、同じ十字迷路課題で、West 部に place field をもつ place cell でも、North → West か South → West で、journey dependent に place field が変わりうることを示しています。

つまり、cross-correlation が journey dependent にシフトしているということは、place field が journey dependent に cell A と cell B で相対的にシフトしていることを示唆しているわけです。なので、この論文ではそのjourney dependent な place field の相対シフトが生じているかどうかをきちんと解析しないといけないのですけど、この論文では解析していません。。( journey dependent に place field がシフトしているということを示すと、「それでは内容が Neuron 2003 と同じではないか」、とつっこまれるので、解析していないのでしょうか。)

なんか説明がごちゃごちゃしてしまいましたね。すいません。。

投稿者 sfujisawa : 2006年03月07日 20:59

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