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2006年05月30日

ブログの効用

高校の時の同級生が、僕のブログを偶然見つけてメールをくれた。彼とは卒業以来会っていなかったのだけど、彼もどうやら神経科学の研究をやっているらしく、今年のコロンビア大学に留学するとのこと。コロンビア大は僕がいま住んでる所ととても近く、そういうわけで連絡をくれた。こういうのって、なんかうれしい。うーん、それにしてもコロンビア大とはすばらしい。。

投稿者 sfujisawa : 22:22 | コメント (7) | トラックバック

2006年05月21日

蔡國強のイベント

いまメトロポリタン美術館で、蔡國強の野外イベントをやっているというので、見に行ってきた。

蔡國強 (Cai Guo-Qiang, 1957-) は中国出身の現代美術作家で、爆発物を用いた作品を得意とする。日本にも 1986 年から 9 年間滞在している。なんとなく若い頃の顔が僕の友達のしきね君に似ている。

蔡國強は、初期は中国の原始美術を題材にした作品を制作していた。「自分はシルクロードやチベット高原を旅したり、ふるさとの福建の自然のなかに残る原始の洞窟画や神話を題材にして、人間の普遍性を求めていた(*)」と彼は語る。80年代より、火薬を用いた作品の制作も行い始める。「創造と破壊を人類にもたらした、中国四大発明のひとつである火薬を使って、その爆発の瞬間に規制にみちた有限の現実をこえて、宇宙の本源に還る(*)」ということらしい。(* 美術手帖 2005/12 より)

まあそういうわけで、彼の爆発系の作品に僕は興味を持っていたわけだが、ちょうどいま、メトロポリタン美術館で、木曜~日曜のみ毎日12時にベランダで蔡國強の爆発物打ち上げイベントがある、という情報を知ったので、さっそく見に行ったわけです。

日曜の12時ちょっと前に MET の屋上ベランダに行くと、2~30 人の人でにぎわっていた。そして、12 時きっかりに、爆薬がぱーん、と一発打ち上げられて、写真とおんなじ黒い雲ができあがった。みんな、おーっ、とどよめく。さあ次はどんなのが打ち上げられるのだろうか、とわくわくして待っていると、係の人がそそくさと片付け始めた。どうも、1日に1発しか打ち上げられないみたい。うーん、さすがにこれではものたりん。。。せめて5発ぐらい打ち上げてくれないと。。というわけでどうも今回のイベントだけではなんだかよくわからんかった。次回に期待。

投稿者 sfujisawa : 22:09 | コメント (6) | トラックバック

2006年05月20日

Neuron 5/18

Visualizing the Cortical Representation of Whisker Touch: Voltage-Sensitive Dye Imaging in Freely Moving Mice
Isabelle Ferezou, Sonia Bolea, and Carl C.H. Petersen

Free-moving rat で、 Somatosensory cortex から Voltage sensitive dye を使ったイメージング。これすごいなぁ。Movie 見た感じでもあんまりぶれてなさそうだし。

解像度は光ファイバーの口径で決まるのかな?ここでは 8μm 系のファイバーを 6×6 毎にの bundle にして、最終的に 300 × 300 の bundle にしてるみたい。

うーん、なんかそのうち Free-moving で Ca++ イメージングとかできたりするようになるのかなぁ。これは Free moving 電気生理屋からすると脅威やね。

投稿者 sfujisawa : 00:08 | コメント (1) | トラックバック

2006年05月19日

パルジファル

きのうの晩はメトにオペラを見に行ってきた。演題はワーグナーのパルジファル。かなり宗教色がつよいオペラだけど、実際聴いてみるとおごそかな気分になれてなかなか良かった。なんかにわかに信仰したい気分になる。こういうのけっこう好きかも。パルジファルでは聖杯にまつわる話を扱っているのだが、僕はこのまえダヴィンチコードを読んだばかりだったので、僕的にはちょうどタイムリーなネタで良かった。歌もすばらしく、特にクンドリー役の Meier が素晴らしくて感動。いいなー、マイアー。。Otto Schenk の演出もなかなか渋くて Good でした。

それにしても、ワーグナーの曲って、おんなじモチーフが何回も何回も繰り返されるから曲が頭にこびりついて中毒的になる。。

投稿者 sfujisawa : 22:30 | コメント (7) | トラックバック

2006年05月10日

Visits

このブログを開設して約1年になりますが、累計で 50,000 visit になりました。内容がかなりマニアックなのにもかかわらず見に来ていただいてどうもありがとうございます。下のグラフは1日あたりの visit 数の推移です。最近はだいたい 300 visits/day ぐらいです。

そもそもこのブログをはじめたきっかけというのは、まだ東京で博士学生をしていたころ、「ガヤ日記」や「pooneil脳科学論文コメント日記」などの研究関連ブログに影響をうけたことですね。とくに留学生活に関しては「ガヤ日記」がかなり面白くて、研究留学の雰囲気がリアルタイムで伝わってきてすごい良かったし、参考になったわけです。また、論文コメントのほうは「pooneil脳科学論文コメント日記」は当時の僕にはかなりに勉強になって、たとえば Clayton の Episodic-like memory の話や small world の話などはこのサイトで初めて知ったというかんじです。

そういうわけで、自分もこれらのサイトをモデルに留学生活の記録と読んだ論文の記録をブログにしてみよう、と試みたわけです。それで、sakura net でサーバーレンタルして Movable Type をインストールして、立ち上げました。(べつにそこまでまねしなくてもよかったわけですが。)

実際に自分で始めてみると、毎日日記を書くのはマメではない僕にとってはかなり大変で、すぐに3~4日に1回、というかんじにペースダウンしてしまいました。しかも生活のほうはネタ切れのために、最近はほとんど論文のはなしになってしまいました。ただ、人に読んでもらうことを前提に論文の要旨をまとめる、というのはかなり自分の勉強になって良いです。しかも僕は読んだ論文の細かい内容をすぐに忘れてしまうタチなので、防備録としても役に立ちます。これはオススメです。

まあそういうわけですが、今後も細々とでもできるだけ長く続けようとは思っているので、よろしくお願いいたします。

visit.jpg

投稿者 sfujisawa : 21:09 | コメント (0) | トラックバック

2006年05月05日

Science 5/5

Conjunctive Representation of Position, Direction, and Velocity in Entorhinal Cortex
Francesca Sargolini, Marianne Fyhn, Torkel Hafting, Bruce L. McNaughton, Menno P. Witter, May-Britt Moser, and Edvard I. Moser

Moser ラボ、Grid cell ネタ。Entrhinal cortex の各 layer (II~V) の principal neuron の特徴を調べた論文。このエントリも参考。

EC において、以下の 3 種の細胞が記録されたらしい:

(1) grid cell (Fig 2)
ある一定間隔、一定方向(60°)に place field をもつ細胞 (Nature 2005)。「gridness」の評価は、空間における発火率の auto-correlation をとって、60°& 120°がピークとなっているか、および 30°& 90°& 150°がトラフとなっているかを、計算したらしい。
Layer II に多い。

(2) head-direction cell (Fig 3)
ラットの頭の向きに反応する細胞。「directional tuning」の評価は、ラットの頭の向きと細胞の発火率の関係を計算したらしい。(統計法は Watson's U-test というのを使ったらしい)。
Layer III~V に多い。

(3) cojunctive (grid × head direction) cell (Fig 4)
Grid cell × head direction cell の特性を持つ細胞。 つまり、gridness score も高く、directianl tuning 性も高い。
Layer III と V に多い。

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あと面白いのは、Postrhinal cortex との境界からの距離が離れるにつれて、Grid cell の Grid の間隔が大きくなる傾向がある(すべての Layer で)。(Suppl Fig 3)

投稿者 sfujisawa : 15:07 | コメント (2) | トラックバック

2006年05月01日

PLoS 4月号

Offline Persistence of Memory-Related Cerebral Activity during Active Wakefulness
Philippe Peigneux, Pierre Orban, Evelyne Balteau, Christian Degueldre, Andre Luxen, Steven Laureys, Pierre Maquet

Maquet ラボ。ヒト、fMRI。睡眠前の覚醒下の状態での、off-line processing について。

Experimental design は Fig 1 にあります。fMRI (Session I) → training → fMRI(II) → 休憩 → fMRI(III) → retraining → fMRI(IV)。課題は、spatial navigation task か、Serial reaction time (SRT) task (Sequence を覚える課題) のどちらかを行います。fMRI 中は、auditory oddball task(ある音程の音が繰り返し聞かされ、たまに違う音程の音が混じる。その違う音程の出現回数を数える課題)を行います。

Spatial navigation task 直後の session II では hippocampus に高い活動がみられ、休憩後の session III では、II に比べて parahippocampas に高い活動が見られた、という結果。また、SRT task 後では小脳に高い活動が見られた、という結果。

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この前の Wilson の論文(覚醒下 ripple でのスパイク列圧縮現象)を読んで以来、睡眠前の覚醒下での off-line processing に興味が出てきました。

睡眠前の reactivation の研究としては、non-human では McNaughton/Wilson が昔からいろいろやっているみたいですね。Science 2002 (macaque) とか JNS 1999 (rat) とか。またそのうちまとめてみます。


投稿者 sfujisawa : 19:34 | コメント (0) | トラックバック