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2005年06月30日

車関係の雑用

今週は午前中は毎日、車関係の仕事。今日はまず朝いちでAIGISに電話して、保険の契約をスタートする。次に、いままで借りていたレンタカーを返しに、Newark空港へ向かう。空港周辺は道がややこしいのだが、何とか迷わずにレンタ屋(Herts)に到着。車を返した後、空港の駅から電車(NJ Transit)でNewarkへ。車を借りたのが空港で、大学は Newark で、住んでいるのが Fort Lee なので、けっこうややこしい。。大学からFort Leeへの帰りは適当な交通手段がないので、しゅうぞうさんの車に乗せてもらって送っていただいた。きょうはバタバタした一日だった。。

投稿者 sfujisawa : 21:47 | コメント (0)

DG

CA1で観察されるユニットが安定しなくなってきたので、CA1観察はとりあえず終了。でもせっかくなので、練習として、そのままプローブを下に下ろしていって、DG or CA3の観察を行うことにする。(Dosalに刺しているので、CA1の直下にDG/CA3がある。)プローブを下ろすときにはギューリーも一緒にいて、見ててくれた。プローブがどの位置にあるかは、脳波を見れば分かる、とギューリーが解説してくれる。CA1からプローブを下ろしていくと、まず脳波が大きくなる。さらに下ろしていって、もしガンマ波が大きくなればDGで、ガンマ波が小さければCA3らしい。ギューリーは脳波の波形を見ただけで「いまプローブはlacunosにいるね」とか、「いまプローブの先端がgranule cell layerに到着したね」とか分かったりする。いや、ギューリーと一緒にやると勉強になっていいです。

投稿者 sfujisawa : 21:47 | コメント (0)

JNS 6/29

A Subpopulation of Neurons in the Medial Prefrontal Cortex Encodes Emotional Learning with Burst and Frequency Codes through a Dopamine D4 Receptor-Dependent Basolateral Amygdala Input
Steven R. Laviolette, Witold J. Lipski, and Anthony A. Grace
AA Graceのグループ。恐怖条件付け課題を行ったときの、mPFCとBLAのinteractionが存在するということ(CSを与えることにより、反応するmPFCニューロンが存在し、BLAにmuscimolを注入してBLAの機能を抑制するとそのmPFCニューロンの反応もなくなる、という現象)と、それが D4 recepter dependentである(mPFCにD4アンタゴを打ち込むと反応が消える)ことを示した論文。それにしても、麻酔下でも恐怖条件付けができる、っていうのはおもしろいですね。彼らのこの論文とかはけっこう好き。

投稿者 sfujisawa : 21:46 | コメント (0)

2005年06月29日

車の購入

そろそろレンタカーの契約が切れるので、車の購入を行うことにする。朝、Fort Leeの近くにあるTOYOTAのディーラー(←以前近所で道に迷ったときに偶然見つけた)へ行く。平日の朝なので店はすごく空いていた。韓国系のセールスマンのおっちゃんが対応してくれる。いろいろ話しを聞いて、オーソドックスにカローラに決定。ちょうど店の倉庫に在庫があって、自動車保険さえ決めれば、すぐにでも渡してくれるとのこと。それで、その場で手付け金をはらって契約。あっさりと2時間ぐらいで終わってしまいました。

それで、次に自動車保険を決めるべく、AIGISに連絡をとる。AIGISというのは、AIU(アメリカの大手保険会社)系の子会社で、保険契約の仲介をしてくれる会社。日本語で対応してくれるというのが最大のメリット。(AIGISには日本にいるときに加入しておいた。)購入した自動車の車体番号と希望の保険コースなどをE-mailで送ると、早速、今日の夕方、見積もりを送ってきてくれた。アメリカにはあり得ない反応の早さにびっくり。今日の進展はここまで。あした続きをやることにしよう。

投稿者 sfujisawa : 22:35 | コメント (0)

2005年06月28日

免許(2)

今日も朝早起きして免許の申請に行く。今日は Wayne という免許センターへ。80号線を西へ30分ほど行ったところにある。今日も窓口でもらったクリーム色の申請用紙を埋めて、何食わぬ顔で「パスポート+ビザ+I-94」を提出。対応してくれたのは優しそうなおばちゃんだったのだが、やっぱり「このI-94はなんか変ねぇ。。ちょっと調べてくるわ」と言って、事務室へ行って何かを調べて、「やっぱりこのI-94はおかしいから、空港のINFへ行って新しいのをもらってきてね」と、昨日と同じことを言われた。。

しかし、もう、このぐらいではへこたれない。その足で、別の免許センター(Lodi)に行く。それにしても、飲み屋のはしごっていうのはみんなよくするけど、免許センターのはしごをするのは僕ぐらいなもんでしょうね。。

Lodiはわかりにくいところにあって少し道に迷ったが、30分ぐらいで到着。同じく、クリーム色の申請用紙を埋めて、何食わぬ顔で「パスポート+ビザ+I-94」を提出。今度のおばちゃんは、I-94を一瞥しただけで、何も言わなかった。おぉー!事務所によって対応が異なるのはアメリカの美点(欠点?)で、何回か違う場所に行くとすんなりと通ることがあると聞いたことがあるが、ほんとにそのとおりね。。

今度はIDチェックがすべてうまくいって、試験の許可がでたので、手数料10ドルを払い、法規試験を受ける。日本語で受けることができた。試験はコンピューターで行う。画面の前に座ると問題が出される。4択の問題が50問で、11問間違えるとその場で失格。まあ、楽勝だろうと思って、気楽にやってたら、ところがどっこい、意外にムズい。
(問い)仮免許の有効期限は?(A)3ヶ月(B)6ヶ月(C)1年(D)2年
(問い)仮免許者が運転できない時間は?(A)23時-5時(B)24時-6時(C)23時-6時(D)どれでもない
いや、仮免許なんか知らんよ。。あっさりと11問間違えてしまって、呆然。。おぃ、!何やってんだ!!せっかく苦労してここまで来たのにー。。

次に試験を受けれるのは、1週間後らしい。。

投稿者 sfujisawa : 19:32 | コメント (0)

2005年06月27日

免許

今日は免許を取りに行く。外国人が免許を取れる免許センターは数が限られている。家の近くの免許センター(Wayne)は都会が近いだけに相当込んでいるという話しだったので、少し遠いが空いているというEatontownというところの免許センターに行くことにする。朝早く家を出発。高速をとばして約1時間で到着。

まず、受付でもらった申請書を書く。次にIDのチェック。パスポートやSocial Security Cardなど、それぞれ点数が付けられていて、6点そろわないと免許の申請はできない。ここで、さっそくトラブル発生。IDとしてパスポート+ビザ+I-94(合計4点)を提出したところ、またもやI-94(入国証明書類)に文句をつけられる。このI-94はおかしいので、Newark空港のINA(移民帰化局)へ行って新しいのをもらって来い、と、Social Seciry card申請の時と全く同じことを言われた。それで、もう審査はおしまい。1時間もかけてきたのに。。ムカーッ!

うーん、でも2度も続けて言われるからには僕のI-94はよっぽどおかしいんだろうな。。いや、空港のINAへ行くのはそんなに面倒ではないのだが、I-94のアメリカ国内での更新はけっこう大変らしく、数ヶ月かかることもあるらしい。(一回カナダとかアメリカ国外に出て再入国してあたらしいI-94をもらった方が早いとも聞く。)

まあ、とりあえず明日別の免許センターに行ってみて、それでもダメだったら空港のINAでも行ってみますか。(もうこういうトラブルもだいぶ慣れてきましたね。)

投稿者 sfujisawa : 21:16 | コメント (0)

2005年06月26日

週末

土日も実験。あと論文仕事も。State論文のリバイスができたので、がや先生に直してもらって、Cereb Cortexに再投稿してもらう。

投稿者 sfujisawa : 22:00 | コメント (0)

お別れパーティー

かずさんは来月にブザキ研での仕事を終え、日本へ帰ってしまわれる。(いろいろ教えてもらいたかったのでが、僕とは2ヶ月しかかぶってなくて、とても残念。)それで、土曜日の夕方、ギューリー主催で、かずさんのお別れパーティーが開かれた。

場所は、ギューリー邸。ギューリー邸は、大学から西へ車で20分ほどの、Millburnという高級住宅街にある。丘の麓の、すごい静かな素敵なところ。鹿も住んでいるらしく、ギューリーの寝室からよく見かけるらしい。Newarkをちょっと離れただけで、こんな良いところになるんだ。。

ギューリー宅ではお庭でバーベキュー。アメリカ式のホームパーティーは初めて参加しました。来客者はみな自作のサラダなりデザートなりを一品もってきたりしておりました。(私はもちろん手ぶら。)みなさんとてもフレンドリーで、ひとりでぼーっと立っているとみんな気をつかって話しかけてきてくれるので、なかなか気を抜けなかったです。

クライマックスは、ギューリーからかずさんへのカードとプレゼントの贈呈。プレゼントとして、SHARPのファックスの大きな箱を渡されて、かずさん、これを日本に持って帰るんかい、と少し困惑気味でしたが、箱を開けてみると、そこにはファックスはなく、新たな箱が出てきて。。(マトリョーシカね。ギューリー、こういうのが大好きみたい。)結局、7箱(!)ぐらいマトリョーシカ。最後に出てきたのはタツノオトシゴのすてきな置物でした(←海馬屋が考えることはみんな同じね)。

けっこうもりあがってて、夕方6時からスタートしたのに終わったのは12時前でした。

投稿者 sfujisawa : 21:56 | コメント (0)

2005年06月24日

試験

来週ぐらいに、NJ州の運転免許を取りにいこうかと思っているのだが、免許取得には筆記試験を受けなければいけない。この筆記試験、なめてかかるとけっこう落ちるらしい。なので、NJの免許センターのページから教科書をダウンロードして読んだりしている。試験問題はこんな感じらしい:
(問い)「乾いた道路で時速40マイルで走っているときにブレーキを踏んだとき、止まるまでの距離はいくらか?」(答え)「149フィート」
(問い)「1.5オンスのウイスキーと、12オンスのビールと、5オンスのワインでは、どれが一番アルコール量が多いか?」(答え)「どれも同じ」
うーん、単位が分からんから、全くぴんとこない。。正解率8割以上で合格らしい。

そういえば渡米する前、福田が「アメリカの道路交通法では、成人女性は水着でハイウェイに立ってはいけない、というおもしろい決まりがある(そもそも誰がそんなことするんだ?)」と教えてくれて、さすがアメリカ、と鵜呑みにしていたのだが、実際教科書を読んでみるとそんなことまったく書いてなかった。まったく適当なことばかり言いよって。。

投稿者 sfujisawa : 22:23 | コメント (0)

Phys Rev Lett 6/24

Anomalous Transport in Scale-Free Networks
Eduardo Lopez, Sergey V. Buldyrev, Shlomo Havlin, and H. Eugene Stanley
Stanleyのグループ。ネットワークのノード間の"conductance"を調べるというもの。(各ノードが単位resistanceを持っているとして。)ネットワーク内のTransportに焦点を当てた研究。よく読んでない。

投稿者 sfujisawa : 22:21 | コメント (0)

2005年06月23日

安定しない

今日はユニットの記録がうまくいかない。長期間電極を埋め込んでいると、どうしても電極の周辺の細胞が傷んでしまうため、長期間安定してユニットをとることはけっこう難しいらしい。だから、電極が海馬の錐体細胞層に到達してから数日間がもっとも安定して記録がとれる時期(いわゆる勝負所)らしい。(O'Keefe の Nature 2002 は20個近くのユニットを一ヶ月も安定して記録しているが、これは神業か?)今日は記録をとらずに調整することにした。

投稿者 sfujisawa : 18:17 | コメント (0)

Nature 6/23

Invariant visual representation by single neurons in the human brain
R. Quian Quiroga, L. Reddy, G. Kreiman, C. Koch and I. Fried

人間の海馬の単一細胞からのユニット記録(!!)。重度の側頭葉てんかんの患者さんに、治療目的で電極を埋め込むことはけっこうやられていて、患者にコンセンサスをとってその電極から研究目的の記録をおこなうという論文はたまに見かけていた。しかし、ユニット記録を行うとなると、電極は4本以上埋め込まないといけない。この論文では8本(!)の束にした電極をてんかん患者さんに埋め込んでいる。(本当に治療目的か??)

まあ、倫理面を別にすればかなりおもしろい論文。たとえば、Sydney Operaの建物の写真に反応する細胞は、「Sydney Opera」という文字にも同様に反応しており、pair-accosiate な情報をコードしていることがよく分かる。人間ならではの実験ね。

投稿者 sfujisawa : 18:10 | コメント (0)

JNS 6/22

Distinct Contributions of Hippocampal NMDA and AMPA Receptors to Encoding and Retrieval of One-Trial Place Memory
Tobias Bast, Bruno M. da Silva, and Richard G. M. Morris

Morrisのグループ。彼らの Nature 2003の焼き直し的論文かな。Task が One-Trial Place Memory taskに変わっているだけのような気がする

投稿者 sfujisawa : 18:08 | コメント (0)

2005年06月22日

船便

今日、ヤマトの船便で送った荷物が到着した。40日ぐらいかかったかな。まあ、東京から東海岸まで、パナマ運河を経由してゆらゆらと運んで来るんだから、考えてみると気の長い話しだね。さて、届いた荷物は段ボール6箱。自分でも何を送ったかあまり覚えてなかったのでとりあえず全部開けてみると、5箱は本だった。なんで俺はこんなにいらない本ばっかり送ってしまったのだろう。。置く場所がない。。

投稿者 sfujisawa : 18:08 | コメント (0)

2005年06月21日

論文情報

セミナー用にと、ギューリーから論文が送られてくる。Place cell関係のScienceのin press論文。M&Mのグループ。(←まだ未公開論文なのでイニシャルのみで。)M&Mはいま絶好調ね。ついこの前も、彼らのNature articleのin press 論文がギューリーから送られてきたし。ところで、ギューリーは、自分が審査した論文を、publishされる前にセミナーでみんなで読むのが好きみたい。Place cell系の主要論文はほぼ流れてくる(!)ので、勉強になっていいです。

投稿者 sfujisawa : 19:45 | コメント (0)

2005年06月20日

Theta、とれたよ

記録がとれるようになったので、週末もずっと実験。とりあえず、sleep中の海馬の波形はとれるようになる。波形を見ていると、Slow wave sleepとREM睡眠の違いがよく分かる。SWS中は、ripple波がばんばんでまくっていて、REMではきれいなtheta波が観察される。それにしても、REM睡眠って思ったより短い。SWS10分に対してREM1分ぐらいしかとれない。しかもSWS中にラットが起きてしまうことがけっこう多くて、睡眠中のtheta波記録はけっこう難しいかも。

↓theta波。ユニットも見えてる。

投稿者 sfujisawa : 19:35 | コメント (0)

一難去って

やっと、Social Security Cardが届いた!これでやっと、免許の取得と車の購入ができる。SSNの発行に4ヶ月かかる、と言われたときはどうなることかと思ったが、何とか1ヶ月強で発行されて、良かった。ほっとひと安心しているところへ、Retgersの本部からまた別のこんな手紙が届く。「必要な書類が届いておりません。5日以内に提出しない場合は、給料の支払いを2ヶ月間停止いたします。」なんだこれは。。5日以内って。。自分たちは何週間もかかるくせに。。しょうがないので今日の午前中は事務巡りをして書類を提出。

投稿者 sfujisawa : 19:35 | コメント (0)

インターネット

自宅用のインターネットを、1ヶ月ぐらい前にVerizonに申し込みしていた。長い間、音沙汰がなかったのだが、先週、Verizonから次のようなメールが送られてきた。「Congratulation!あなたのインターネット接続の準備が整いました。これからモデムをお送りするので、楽しみにお待ちください。」Congratulationじゃねえよ!まったく。。でも、週末にはモデムが届いて、なんとか家でもネットが使えるようになった。

投稿者 sfujisawa : 19:34 | コメント (0)

進化しすぎ

土曜の朝、Mitsuwaへ買い物へ。Mitsuwaのとなりの三省堂をぶらぶらしてたら、「進化しすぎた脳」を発見。平積みされてた。先週はなかったから新たに入荷されたんだね。そういえば、がや日記がいつのまにかmodifyされて公開されてますね。

投稿者 sfujisawa : 19:33 | コメント (0)

2005年06月17日

給料日

今日、机の上に封筒が置かれていた。開けてみてみると、給料の小切手が入っていた。おぉっ!月給は小切手で支払われるんだ。考えてみると、これは私にとって実は初の給料ですな。しかし、勉強させてもらっているのに給料をもらうのも少し後ろめたい感がありますね。。がんばらねばね。

投稿者 sfujisawa : 20:19 | コメント (0)

Science 6/17

Major Dissociation Between Medial and Lateral Entorhinal Input to Dorsal Hippocampus
EL Hargreaves, G Rao, Inah Lee, JJ Knierim
Knierim Labは絶好調ですね。去年のLeeのNature(CA3の相対コードの論文)に引き続き、今回はScienceですか。そういえば、Inah Leeは今、Boston Univにいて、Hasselmo(海馬・理論屋)とEichenbaum(海馬・認知行動屋) のもとでやっているみたいですね。この組み合わせは、けっこう怖いなぁ。。
今回の論文は、Entorhinal cortexでも、Medial部とLateral部でコードしている情報が異なる、という内容。Medeial ECでは比較的空間解像度の高いplace cellが存在するのに対し、Lateral ECではあまり解像度がよろしくない、というもの。解剖学的には、視覚情報は Postrhinal → Medial EC → Hippicampus、嗅覚・聴覚・(視覚)情報は Perirhinal → Lateral EC → Hippocampus と流れるらしいので、ラットでのplcae cellの形成にはPostrhinal経路の情報が非常に重要である、ということですかね。

投稿者 sfujisawa : 20:18 | コメント (0)

Phys Rev Lett 6/17

Role of Delays in Shaping Spatiotemporal Dynamics of Neuronal Activity in Large Networks
Alex Roxin, Nicolas Brunel, and David Hansel

Alex Roxinはこの論文(PRL2004、Small-world neural networkでの同期形成のモデルの論文)の著者。Brunelは Amit や Wang XJ や Abbott とかとよく一緒に論文出している人ですね。

この論文は、networkにおいて、neuronどうしのinteractionのdelayを考慮すると、synchronizationのパターンに「phase」が存在するようになる、という内容。連続空間での firing rate modelと、Hodgikin-Huxley modelの、両方で計算している。

Communication Boundaries in Networks
A Trusina, M Rosvall, K Sneppen

「1960年代、スタンレー・ミルグラムという名のアメリカの心理学者は、人々をコミュニティに結びつけている複雑な人間関係の構図を捉えようとしていた。そのためにミルグラムは、カンザス州とネブラスカ州の住民から何人かをランダムに選び出して 160通の手紙を送りつけ、その手紙をボストンにいる彼の友人の株仲買人に転送してほしいと依頼した。ただし、友人の住所は知らせなかった。手紙を転送するにあたっては、それぞれの人の個人的な知り合いで、その株仲買人と社会的に「近い」と思われる人にだけ送るように頼んだ。最終的には、手紙の大半がボストンの友人のもとに届いたのである。手紙の多くは、6回前後の投函で着いたのである。ミルグラムの発見は、「6次の隔たり」(six degrees of separation) として人々に知られるようになった。どんな有名俳優とでも、6人の関係する人を通せば、結びついてしまうということになる。」(ここから引用)

この話はSmall-worldの例として有名な話よね。人間同士のネットワークは最短6人程度でつながっている、というのは良いとして、問題は、なぜ、手紙を送った人たちは、その最短に近い経路をたどることができたのか。

この論文ではそこに焦点を当てている。Real-world networkでのpath findingについて。

出発点 s から目的地 t に最短で到着できる確率 S(s→t)は、普通に式(1)で計算できる。これに加えて、自分の友達のうち、誰が多くのコネクションを持っているか、という情報を「betweenness」として重み付けに用いたときの確率 Sw(s→t)(式(2))を計算しているのがおもしろい。s→tまでの距離 l が小さいときと大きいときで、S(s→t)とSw(s→t)を計算している。その結果、real-world networkでは、距離 l が小さいときはS(s→t)が高く、距離 l が大きいときはSw(s→t)が高い、という結果が得られた。つまり、real-world networkで目的地までの最短のpathを探すには、pathのはじめの方ではbetweennessを重視して検索していき、目的地に近づいてきたら場当たり的に検索するのが良い、という結論。まあ、結論は当たり前っぽいけど、考え方と計算法がけっこうおもしろい論文でした。

投稿者 sfujisawa : 20:14 | コメント (0)

2005年06月16日

NY日本総領事館へ

アメリカで車を運転する場合、日本から国際免許証というのを持っていけば、一年間は運転できることになっている。しかし、ニュージャージー州の法律では、外国人でも長期居住者は2ヶ月以内にNJ州の運転免許を取らなければならない規定になっている。なので、僕も早いとこ免許を取りに行かなければならない。NJ州の免許は筆記試験と実技試験があるらしいのだが、日本総領事館で発行してもらえる「日本の免許を証明する書類」を持って行けば、実技試験は免除されるらしいので、今日朝、マンハッタンにある日本総領事館へその書類をもらいに行く。

NewarkのPENN駅は大学から歩いて15分ぐらいのところにある。「NJ Transit」という電車に乗り、NYへ向かう。NewarkからNYまでは湿地帯がほとんどで、しかもハドソン川越えは地下トンネルなので、景色はいまいち。20分ぐらいでNYのPENN駅に到着。歩いて日本総領事館へ向かう。

日本総領事館は銀行系の高層ビルの18階の1フロアで、こじんまりしていました。まったく込んでなくて、10分ほどであっさりと手続きが終わりました。そのままマンハッタンをぶらぶらしたいところでしたが、実験があるのでそのまま大学へ戻ることに。12時に大学に戻ました。大学を出たのが9時だから、ニューヨークは結構近いね。

投稿者 sfujisawa : 19:37 | コメント (0)

記録

今日もラットにアンプを接続して波形を記録してみる。電極もすこし動かしてみる。ギューリーがいたので、波形を見てもらう。「お、rippleが見えてるじゃん。」rippleは、ラットが何もしていないときに観察される、120~200Hzの高周波のwaveのこと。「このripple波形を見る感じでは、一番先の電極は、錐体細胞層の上端のギリギリの位置にいるね。Orienceにいるときはripple波形が上向きで、錐体細胞層を突き抜けてRadiatumまで言ってしまうと波形が下向きになるから、rippleの波形を見ると電極がどの位置にいるか分かるんだ。もうすぐ電極が錐体細胞層にぴったりはまるから、ラットをtrainingしたら記録をとってみようか。」

「これは君の初めてのラットだけど、なんとか記録とれそうだね。Congraturaion!じゃ、次は32channel電極2つでやってみなさい。電極を渡しとくから、準備を始めといて。」と、新たな電極を渡してくれた。ギューリー、けっこう気が早い。。

投稿者 sfujisawa : 19:36 | コメント (0)

IDカード

3回ぐらい抗議に行った結果、今日、なんと、IDカードが使えるようになった!これで休日でも自由にラボに入れる。感動!(アメリカにいると、ひとつ手続きが進むだけでいたく感動してしまう。。)

投稿者 sfujisawa : 19:34 | コメント (0)

Current Issue

チェックだけ。

Neuron 6/16

Spatiotemporal Elements of Macaque V1 Receptive Fields

JNS 6/15

Functional Magnetic Resonance Imaging Activity during the Gradual Acquisition and Expression of Paired-Associate Memory
マカク猿のPaired-Associate Memoryで先駆的な研究をした宮下先生の論文をMethod以外全く引用していなかったから、pooneilさん怒っていますね。

Auditory Fear Conditioning and Long-Term Potentiation in the Lateral Amygdala Require ERK/MAP Kinase Signaling in the Auditory Thalamus: A Role for Presynaptic Plasticity in the Fear System

投稿者 sfujisawa : 19:30 | コメント (0)

2005年06月15日

グラウンド

昨日は見えていた波形が、今日になると見えなくなっていた。これは困った、ということで、けんじさんに手伝ってもらって、修復作業を行う。数時間いろいろやっているうちに、何とか昨日の状態までは回復する。原因はあまりよく分からないけど、おそらくグラウンド関係だろうと思われる。電気生理やってると、グラウンドやノイズは、常に難しい。。

投稿者 sfujisawa : 19:28 | コメント (0)

2005年06月14日

接続

昨日埋め込んだ電極がちゃんと働くかどうか、今日実際にアンプを接続してみて確認。

最終的にはdosalの海馬CA1から記録をとりたいのだが、手術の時にいきなり電極をCA1までつっこんでしまうと、周辺の細胞が死んでしまうらしいので、手術の時は海馬の上の皮質のところまで差し込んでおいて、数日間かけてゆっくりと電極を海馬まで下ろしていく、ということをやる。なので、今日は、皮質からの記録がとれるはず。

コネクターをつないでみたところ、コンピュータ画面に脳波らしき波形が映し出される。しかも、小さいながらもユニットらしき波形も少し観察された。おぉーっ、感動!

しかし、まだin vivoでの波形の見方があまりよく分からない。はやいところ慣れてしまわなければ。

投稿者 sfujisawa : 19:24 | コメント (0)

2005年06月13日

オペ

今日は本番オペ。32channelシリコンプローブを、ハンドリングしたラットに埋め込む。ラットの麻酔からオペ終了まで7時間もかかった。でもラットはまあまあ元気だったので一安心。問題は、うまく記録がとれるか、ですな。

投稿者 sfujisawa : 18:39 | コメント (0)

週末

土日は、Revise仕事と、オペの準備、ラットのtrainingなど。In vivoの実験は、いったんスタートすると毎日ラボにに来ないといけないのでたいへんね。

投稿者 sfujisawa : 18:38 | コメント (0)

2005年06月10日

オペの練習

僕はin vivoでの脳の手術をやったことがないので、本手術をする前に練習をしといたほうが良いと思い、今日オペの練習をやってみる。余ったラットをもらってきて、シリコンプローブを埋込む以外の過程をひととおり自分でやってみることにする。はじめのイアーバーでの固定のところでもたついていると、手術室の前を偶然通りがかったギューリーがのぞき込んできた。「お、俺が手伝ってやるぞ。」と言って、ひゅひゅっ、とラットをイアーバーで固定してしまう。「イアーバーでの固定の練習は、ケタミンとかで深く麻酔したラットとかを使って何回も練習しなさいよ。」そして、手術のコツなどを何点か教えてくれ、去っていった。ギューリーは実験をのぞくのが大好きみたいで、ひまなときはいつもみんなの実験をのぞいてまわっている。

しばらくひとりで手術を続けていると、またギューリーが早足でやってくる。手にはなんか小型の装置を持っている。「これ、レーザー温度計なんだ。こうやって、ラットにレーザーを当てるだけで、体温が分かっちゃうんだ。Fantasticだろう?」しかし、僕はラットの体温をそんなに知りたくなかったし、温度表示が華氏表示で何度なのかさっぱり分からなかったので、リアクションがとれないでいると、そのままその装置をもって去ってしまった。何だったのだ?うまくリアクションすれば貸してくれたのかな?それとも単なる装置の自慢?

まあ、そんなかんじで朝から夕方まで練習をやっておりました。

投稿者 sfujisawa : 20:03 | コメント (0)

CC

Cerebral Cortexに投稿していた「State論文」の返事が来る。「要ReviseのAcceptable」だった。ほっと一息。でもReviewer#2は結構きついこと言っているから油断はできない。Reviwer#1が、絶賛してくれていて、「It should surely be published」とまで言ってくれていた。Reviewerにこんなに褒められたことはなかったので、さすがにうれしかったです。Reviwer#1は、理論家であることは間違いなく、たぶんHopfield系で、おそらくAmitとみた。

投稿者 sfujisawa : 20:03 | コメント (0)

2005年06月09日

とほほ

先週、せっかく大学のIDカード(研究所の入館カード機能と駐車場カード機能がついているはず)をもらったのだが、この機能がなかなかうまく働いてくれない。カードをくれた窓口の人は、翌日から使える、といっていたが、数日たっても全く使えるようにならない。しょうがないので、今日抗議に行ってきた。やれやれ。。それにしても、もうこっちに来て1ヶ月近くたつのに、この種の仕事が悲惨なほど全く進んでいない。いまだに9時-5時の時間外では自力でラボに入ることができないなんて。。。

投稿者 sfujisawa : 19:53 | コメント (0)

Nature 6/9

Uncovering the overlapping community structure of complex networks in nature and society
Complex networkのsubunit構造(彼らはこれを"comunity"と呼んでいる)に注目し、解析した論文。彼らの定義する"k-clique comunity"がよく分からなかったので内容が理解できませんでした。ごめんなさい。

投稿者 sfujisawa : 19:41 | コメント (0)

2005年06月08日

郵便物が届かない

今の住居に移ってから、なぜか私の住所に一通も郵便物が届かない。銀行関係とか、電話関係とか、届くはずの郵便がいくつもあるはずなのに、全く届かないのである。不審に思い、先週、自分で自分の住所に手紙を送ってみたのだが、いつまでたっても配達されない。どうも、「配送」がおかしい、と分かってくる。しかし、どう対処したものか分からず、困ってしまう。

そこで、ふと、今の部屋の私の前の住人も偶然「フジサワ」という名前の日本人だったという話しを、以前、増子不動産から聞いたのを思い出す。もしかしてその人が転送手続きをしていて、私宛のものも誤って転送されているのではないか?という仮説が浮上してきた。

そこで、増子不動産にメールして、前の住人の「フジサワ」さんに連絡を取ってもらうことにする。どうやら、その仮説は正しくて、何通かそちらの「フジサワ」さんの方に届いているらしいことが発覚した。さっそく今日、増子不動産の人と一緒に郵便局へ行って、事情を説明し、first name に注意してもらうようお願いする。

それにしても、こんなことが起こるなんて。。フジサワ姓は日本では珍しくないけどアメリカでは当然珍しいから、こんな転送ミスが起こったことはまあ分かるのだが、なんともまあ。。もうネタはいらないから早く穏やかな生活を送りたい。。。

投稿者 sfujisawa : 17:43 | コメント (0)

2005年06月07日

電話

開設したはずの電話が不通だったので、先週、Verisonに電話して苦情を言ったところ、テクニシャンをひとり派遣してくれる、という返事をくれた。今日の朝、Verizonのテクニシャンのにいちゃんが来てくれる。30分ほど配線をごちゃごちゃといじって、何とかつながるようになったみたい。これで、やっと電話開設。やれやれ、電話一本にも時間と手間がかかるなぁ。

夕方はラボミーティング。いま、Koch研から学生がひとり短期派遣されていて、その人がセミナー。シリコンプローブでextraの記録を行うと、一つの細胞に対していろいろな部位(axonとかsomaとかdendriteとか言う意味で)からの電位が記録できるが、その波形から、どのようなチャネルのカレントがcontributeしているかを推測するモデルの研究。この論文の発展的研究かな。

投稿者 sfujisawa : 17:58 | コメント (0)

2005年06月06日

オペの見学

今日はけんじさんに慢性記録用の手術を見せてもらう。

まず、麻酔をかけてから、イヤーバーでラットの頭部を固定し、バリカン(!)で毛を刈り、メスで頭皮をきり、ブレグマとラムダを確認する。ここまでは薬作のプロトコールとほぼ同じ。そのあと、ブレグマとラムダを大きく囲むように、skullにアンカー用のねじを小さいねじを8本ほど打ち込んみ、それを歯科用セメントで固めて足場を作る。グラウンド電極・参照電極用のねじも小脳部のskullに打ち込んでおく。セメントが乾いたら、電極を挿すべき場所のskullに穴を開け、用意しておいた電極を挿す。穴は、電極を傷めないように、ゼリーで固める。そして、電極を支持しているマイクロドライブを、セメントでskullに固定する。すべての電極を挿し終わったら、5cmぐらいの金属製の網で全体を囲って(ノイズ対策のファラデーカップ)、その網をはじめに作った足場に、セメントで固定する。そして、電極につないでいるコネクタ類を、金網にうまく固定する。

以上が手術の流れ。けっこう大仕事で、慣れているけんじさんでも10時間ほどかかっていた。

投稿者 sfujisawa : 19:50 | コメント (0)

GWBを歩いて渡る

G Washinton Bridge(ジョージ・ワシントン・ブリッジ)とは、ハドソン川に架かっている橋で、NJとマンハッタンをつなぐ重要な交通路である。週末、近所をぶらぶら散歩していたら、「↑ G Washinton Bridge Walk Side」という標識を見つけた。この標識を見て、GWBは歩いて渡れるんだ、と知り、さっそく標識に従って歩いて行ってみた。10分ほど歩くとGWBの入り口に到着。GWBは有料高速道路なのだが、歩行者・自転車はどうやらタダらしい。ハドソン川沿いはサイクリングの名所らしく、サイクリング姿の人たちでけっこうにぎわっていた。橋の上は風が心地よく、またハドソン川とマンハッタンが一望でき、かなり最高。
ただ、マンハッタンに渡ったものの、NYのガイドブックを持っておらず(船便で送ったのでまだ着いてない)、どうやって繁華街まででればよいのか分からず、そのまま引き返すはめに。(あまり渡った意味なかったね。)

ところで、GWBをサイクリングで渡るほぼすべてのアメリカ人(男も女も、子供もお年寄りも)がスパッツ姿なのはなにか意味があるのだろうか?(州の条例とか?)

↓ G Washington Bridge (NY側より) と 橋の上から見たマンハッタン

投稿者 sfujisawa : 19:42 | コメント (0)

2005年06月03日

シリコンプローブ

そろそろ実験をしてみたい、とギューリーに言うと、シリコンプローブを渡してくれました。おぉーっ、ついに憧れのシリコンプローブを手にすることに。「まずこれでやってみなさい」と渡されたのは、ひとつの32channelのプローブだった。ここで調子に乗って、2 X 32channelでやってみたいのでもう一個欲しい、とだだをこねると、それはさすがに「ノー」。「まぁ、そんなにあせらないで。2つのプローブを使うと手術時の場所の干渉の問題やコードのねじれの問題とかあって、けっこう難しいのよ。これは君にとっての初めてのin vivo実験なんだから、まず一つのプローブで手術・記録・解析をやってみて、一通りの流れを学んでから、それからstep upを考えなさい。」とやさしく諭されました。。

まあとにかくシリコンプローブを手に入れたので、とりあえずけんじさんにやり方を教えてもらって、コネクターとの配線を行う。プローブを壊さぬようにハンダ付け。ほんと緊張しますよ、この作業は。結局、配線だけで6時間もかかってしまった。いやはや。。

せっかくなので、プローブの記念撮影をしてみました。


投稿者 sfujisawa : 18:40 | コメント (0)

Phys Rev Lett 6/3

Synchronization is Enhanced in Weighted Complex Networks
タイトルにひかれて落としてみたけど、内容はよく分からん。どうやら考え方の枠組みは、L Pecoraさんという人の研究(これとかこれ)に端を発するみたい。ノード i の個々のダイナミクスが dx_i/dt = F(x_i)で表され、また他のノードへの出力をH(x_i)と表すとき、系のダイナミクスを dx_i/dt = F(x_i) + {Sigama}_j * G_ij * H(x_j) と考える枠組みらしい。正当っぽいけど、それだけにじっくり読まんとよく分からん。今回の論文は、どうも以前の論文にasynmetry性を加えただけのことらしい。

投稿者 sfujisawa : 18:33 | コメント (0)

2005年06月02日

IDカード、再び

先々週ぐらいに、大学のIDカード(これがないと平日9時-5時以外は研究室に入れない)をもらいに行ったら、Social security number(SSN)がまだ発行されていないからだめだ、といってrejectされた話しは前に書いた。しかし、僕よりも後にきたはずのしゅうぞうさんが、SSNないけど既にIDカードをもらった、と教えてくれた。まじで。。ということで、今日ふたたび大学の事務所に行って、事情を説明したところ、今度はなんとか発行してくれた。アメリカの事務は係員によって対応が違う。。でも発行してもらうのも一筋縄ではいかず、何回も研究所の事務所と大学の事務所を往復して、午前中いっぱいかかったよ。なんでこんなめんどくさいんだ?

午後は、Jozsef Fiser教授のtalk。網膜、一次視覚野におけるspontaneous activityの機能的な意義のついて研究をしている人。この論文の内容について。ブザキ研の最近のnature論文も、development時における運動系のspontaneous activityの話しだったから、ギューリーはこの辺の話しも好きなんだろうね。

投稿者 sfujisawa : 16:35 | コメント (0)

Nature 6/2

Oxytocin increases trust in humans
人を信頼させるホルモン確認」らしい。

投稿者 sfujisawa : 16:33 | コメント (0)

2005年06月01日

先週、隣のハリス研にしゅうぞうさんという方が新しくポスドクで来られたので、このフロアも日本人が4人と多くなってきた。心強い限りであります。それで、親交深めるため、昨日、このフロアの日本人みんなでかずさんのお宅におじゃましてきました。ひさびさに日本食をつつきながらの談話、ということで楽しかったです。料理のうまい奥さんがいて、うらやましい限りね。

投稿者 sfujisawa : 17:35 | コメント (0)

Neuron 6/2

The Hippocampal-VTA Loop: Controlling the Entry of Information into Long-Term Memory
Lisman JE と Grace AA という、ちょっと変わった組み合わせのReview。中脳の腹側被蓋野(VTA)のドーパミンニューロンは海馬CA1野に投射しているらしいのだが、これが、学習に関わるのかどうかを議論したReview。海馬とVTAがloopを形成していて、これが新規性の学習に機能的に働いている、というのが彼らの主張。あとでじっくり読んでみます。


The Neuroanatomy of Remote Memory

Squireのグループ。タイトルだけ見ると、Squireはいったい何をやったんだ、とびっくりしてしまいますが、 いつもの、側頭葉に傷害を持つ患者の記憶課題の実験でした。
実験は、側頭葉に障害を持つ患者と、側頭葉+別の皮質に傷害を持つ患者で、Autobiographic memoryの課題を行った。Autobiographic memoryは、傷害を受ける前の人生の、前1/3に起きたことを聞かれる記憶課題。側頭葉障害患者ではこの課題はできるが、側頭葉+別の皮質に障害を持つ患者では、この課題ができなかった、という結論。すなわち、長期記憶(Remote memory)は側頭葉だけに蓄えられるのではなく、皮質に広く蓄えられている可能性がある、という主張。
彼らの前報(Manns et al., neuron 2002 a,b)では、比較的短期(24hrとか)のpair-associate記憶課題は、海馬+側頭葉としている。また、Recall課題も、傷害の15年ぐらい前までのretrogradeの記憶は海馬+側頭葉としている。なので、今回用いたAutobiographic memoryは、単にエピソード記憶というだけでなく、Remote性がすごく強い課題である、ということを主張したいのだと思う。(しかし、彼らはなぜか自分たちの前報をひいていない。)

簡単にまとめると、人間では、比較的最近(ここ数年)のエピソード記憶は海馬+側頭葉に蓄えられ、すごい昔のエピソード記憶(remote memory)は、別の皮質に蓄えられると言うことかな。(Manns 2002 bのrecall課題をエピソード記憶と解釈すればの話しですが。)

投稿者 sfujisawa : 17:05 | コメント (0)

Nature Reviews Neuroscience 6月号

INTERACTIONS BETWEEN NUMBER AND SPACE IN PARIETAL CORTEX
おもしろそうだけどまだ読んでない。

投稿者 sfujisawa : 17:04 | コメント (0)

JNS 6/1

チェックだけ。
Dejittered Spike-Conditioned Stimulus Waveforms Yield Improved Estimates of Neuronal Feature Selectivity and Spike-Timing Precision of Sensory Interneurons

Stimulus-Dependent {gamma} (30-50 Hz) Oscillations in Simple and Complex Fast Rhythmic Bursting Cells in Primary Visual Cortex

The Neural Correlates of Motor Skill Automaticity

投稿者 sfujisawa : 17:02 | コメント (0)