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2005年07月29日

Phys Rev Lett 7/29

Phase Transition in a Healthy Human Heart Rate
Ken Kiyono, Zbigniew R. Struzik, Naoko Aoyagi, Fumiharu Togo, and Yoshiharu Yamamoto

人間の心臓の拍動を記録して、それが phase transition していることを示した論文。なんか、fluctuation の correlation を計算するような解析で、心臓の拍動が"second order phase transition"だと言っている。心臓の拍動のような単純なものでもphase transition (like)と決定できるような解析法ならけっこう使えそうだとは思うのだが、難しくて何をやっているのかよくわからん。。あとでゆっくり読もうか。

投稿者 sfujisawa : 22:26 | コメント (0)

2005年07月28日

Nature 7/28

Robust habit learning in the absence of awareness and independent of the medial temporal lobe
Peter J. Bayley, Jennifer C. Frascino and Larry R. Squire

Squireのグループ。例によって側頭葉損傷患者の実験。ヒトにおいて、object recognition taskが、declarative的にだけでなく、Habit的にも記憶されうる(ただし側頭葉非依存)ことを示した論文。(サルでは知られてたらしい。)

Task:Objectは、変な形のプラスチックや金属の破片など。それぞれが紙のカードの上にひっつけられている。Objectカードは16枚あって、2枚ずつ8組のpairになっている。それぞれのpairで、"correct" objectが一枚決められていて、そのobjectカードの裏側に"correct"の文字が書かれている。

被験者は、1pairずつ提示されて、「この2枚のうち、"correct"objectを、try-and-error(つまり自由にobjectカードをつまんでひっくり返して"correct"の文字があるかどうか確かめられる)で覚えてください」と指示される。1セッションは40trial、週に2回のセッションを行う。(The concurrent discrimination task)

Controlでは、だいたい3回のセッションで、90%以上の正解率。
ここで側頭葉損傷患者(EPさんとGPさん)では30回程度のセッションで85~90%程度の正解率でこのobject recognition taskが学習された。しかし、彼らはこのtrialをしたこと自体は覚えていないし、このtaskがどういうものなのかの説明もできない。(つまり「declarative memory」ではない。)

次に、記憶が形成された後に、16枚のカードを同時に並べて、「この中から"correct"objectを選んでください」と指示される課題(The sortig task)。Controlはできるが、側頭葉損傷患者は全くできない。しかし、この直後に、1pairずつ提示されるtask(今度はつまむのではなく言葉で(右か左か)答えなくてはならない)は、答えられる。

さて、Taskを行ったこと自体は覚えていないけど、Habit memoryは獲得される(たとえば鏡を見ながら鉛筆で図形をトレースするtaskとか)ことは、海馬損傷患者の研究(たとえばHMさんとか)で相当前から知られている。

今回新しいのは、Object recognition taskのような「declarative memory」と考えられていたものも、Habit learningで獲得できることを示したことかな?あるいは、Object recognition のようなtaskにおいて、海馬・側頭葉経路で意識下にdeclarative的にすばやく記憶される経路と、basal ganglia経路(?)で無意識下にHabit的にゆっくり記憶される経路の2種類が存在することを示したことかな。

投稿者 sfujisawa : 21:01 | コメント (2)

2005年07月27日

手術失敗

今日は2度目の慢性記録実験用の電極埋め込み手術。今回は32channel電極の2本挿しなので前回よりも少し難しい。電極も2本になると、三次元的な空間配置が難しくなる。いちおう事前に空間配置をしっかり計算しておいたので、まあなんとか電極の挿入とマイクロドライブの設置まではなんとかうまくいった。しかし、最後、コネクターの位置をすこし動かしているとき、無理な負荷がかかったのか、シリコンプローブとドライブの接続部がはずれてシリコンプローブが破壊してしまう。思いもかけなかったことで、一瞬声がでなかった。7時間の手術が水の泡に。しかも1ヶ月近くトレイニングしたラットも無駄に。

手術を失敗すると、ほんとに得られるものが何もない。しかも後処理と次の実験のための準備で膨大な時間がとられる。来月からギューリーが長期の出張に行ってしまうので、その前になんとか再手術をするために、とりあえず猛スピードで次の準備をしなければ。

投稿者 sfujisawa : 22:24 | コメント (0)

2005年07月26日

セミナー

今日のラボ・セミナーは、Dr Chklovskiiがトークをしてくれた。聞いたことないなと思ってたら、このPLoS論文(Cortexスライスで4本パッチを800組(!)記録して、cortexでのネットワークのつながり方を調べた論文)の著者だった。Cold Spring Harbor Labの若手PIみたい。トークの内容はPLoS論文そのものだった。

投稿者 sfujisawa : 16:42 | コメント (0)

2005年07月25日

Science 7/22

Independent Codes for Spatial and Episodic Memory in Hippocampal Neuronal Ensembles
Stefan Leutgeb, Jill K. Leutgeb, Carol A. Barnes, Edvard I. Moser, Bruce L. McNaughton, and May-Britt Moser

Moser&Moser&McNaughton。Moser妻がLast autherで、McNaughtonがコレスポという微妙な論文。CA1/CA3での place cellの論文。大きい環境(実験室)とLocalな環境(実験箱)をplace cellはどうコードしているかという内容。まず、同じ実験箱でも、実験室が変わると、place cell のコードする領域が変わるのは以前から知られていた(Figure2)。(つまり、place cellは distal な cueを重要とする。)さて、今回の新しい発見は、実験室は同じで、実験箱を変えた場合、一見、place cellのコードする領域が変わったように見えるが、実は発火数が変わっているだけで、コードしている領域は同じだ、というもの(Figure1)。つまり、localのcueは、発火率の違いによりコードしている、という解釈。

タイトルに「Episodic memory」とあるが、内容は episodic memoryとは全く関係ない。

ところで、この論文のPreviewはギューリーが書いている。「ジャガーに乗っているときとロータスに乗っているときでは、同じ道を走っていてもplace cellは違うふうに発火するよーん」ってたとえてます。(つまり車がlacal cueで、道がdistal cueってわけね。)

この論文とPreviewの草稿はうちでは早くから流れていてセミナーでもやったが、べつにギューリーが論文のレビューをしたわけではないらしい。ちなみにジャガーとロータスはギューリーの持ってる車で、草稿では自分の車の写真をFigureに載っけてたのだが、publishされたFigureでは車の写真がイラストになってたから、science編集部に直されたんだねー。あと、草稿では、「"Episodic memory"はタイトルに書いてるだけで本文でふれてないやん」って皮肉ってたけど、これも消されてた。。


投稿者 sfujisawa : 21:36 | コメント (0)

2005年07月22日

海馬露出手術

次の実験で、ventral側の海馬に電極を挿そうかと思っているのだが、海馬は「つ」の字型に3次元構造をとっているので、ventralにはどのように刺せばいいのかは幾何的にけっこう難しい問題である。そのへんを、ギューリーに相談に行ったら、「じゃあ、いらないラットを使って、海馬の3次元構造を実際見てみようか」といって、Neocortex吸引による海馬露出手術を実演してくれることになった。

さっそくいらないラットに麻酔をかけて手術台にセットしてギューリーに交代。ギューリーは口笛を吹きながらさくさくと手術をする。頭蓋骨を開いて、慣れた手つきでNeocortexをアスピレータですばやく吸い取ると、きれいに海馬が見えるようになった。「海馬は立体的にはこうなっているのよ。じゃあ、あとは自分でいろいろ検討してみて」といって去っていった。

ギューリーのこういうフットワークの軽さは良い。すごい勉強になる。

投稿者 sfujisawa : 22:12 | コメント (0)

2005年07月21日

電話は困る(2)

電話は分からんという話し、その2。文脈の分からない英語の電話は全く分からないという話し。

先週のある日の朝方、誰かから電話がかかってくる。男性が早口で、なにかしゃべっているのだが、英語がまったく聞き取れない。何の電話かすら分からない。何回か聞き直して、「drunk」「drive」「donation」の3単語だけは聞き取れたけど、文脈は全く分からない。単語から、何か運転関係の寄付の話しかな、ということは何となく分かってきたが、運転関係だと、無下にNoと言ってしまうのは怖い。そもそも誰からかかってきているのかが分からない。新規のナンバープレートを登録したので、陸運局かな?よく分からんからとりあえずMailを送ってくれ、と頼んだ。

数日後、手紙が送られてきた。どうも手紙を読んでみると、依頼主は警察で、飲酒運転撲滅のための寄付をしてくれ、という内容だった。寄付(20ドル)の振り込み用紙と、ワッペン・シール(車に貼る用)が同封されていた。なんか警察関係でちょっと怖いから、とりあえず言われたとおり寄付を振り込んどいた。「No!」と言えない日本人の代表ね。

後日、けんじさんに聞いてみると、この寄付は、どうも退官した警察官を補助する系の寄付らしい、ということが分かった。このワッペンシールを貼っておけば駐車違反の取り締まりで見逃される確率が高くなるらしいとか。

投稿者 sfujisawa : 22:02 | コメント (0)

Neuron 7/21

The Coordinated Mapping of Visual Space and Response Features in Visual Cortex
H. Yu, B.J. Farley, D.Z. Jin, and M. Sur

Sur研。一次視覚野の simple cell/complex cell は、網膜での位置(2次元)、方位選択性(2次元)、眼優位性(ocular dominance、1次元)などに対して反応する。つまり、入力される情報は5次元である。で、一次視覚野では2次元空間的にこれらの情報をmappingしているので、demension reductionが生じている。ここで、入力の直交性を保ったまま(つまり各次元の独立性が保たれたまま)demension reductionしているかどうかは興味深い問題。この論文では、一次視覚野の応答の精密な測定と、理論とでその問題を研究している。でもSurの論文は難しくてよく分からん。

投稿者 sfujisawa : 22:01 | コメント (0)

2005年07月20日

電話は困る

アメリカでは、なにか問題があったときは、電話で抗議するのが一般的である。書類等にも、「問題があったときは、1-800-XXXXXXXまで電話してね」と必ず書いてある。しかし、電話というのは、英語がしゃべれない人間にとっては非常にやっかいなシロモノである。

このまえ、Wachovia(銀行)のInternet banking に Online登録しようと思ったら、エラーがでてうまくいかなかった。(アメリカの銀行では、通帳がないかわりに、Internet banking でネット上で自分の口座の収支の明細が確認できる。)Internet banking はやはり必要なので、仕方ないので Wachiviaのカスタマーサービスに電話する。

Wachiviaのオペレーターのおネエちゃんが電話に出てくる。はじめの方は、名前の確認とか口座番号の確認とかエラーの状況(エラー番号)の確認とかで、なんとかついて行けたが、途中からしだいに分からない単語が増えはじめて、何言ってんのか分かんなくなってくる。オペレーターはまあいい人で、何回も何回も聞き直しても親切にもう一度言い直してくれる。それでもなかなか分からないでオロオロしていると、オペレータの人が、ちょっと待っててねー、といって、待受け音楽に切り替えられた。しばらく待っていると、日本人の通訳の人が出てきて、Wachoviaのオペレーターと、通訳さんと、僕の3人で電話の会話ができるモードに切り替えてくれた。

うーん、悔しーなー、と思いつつ、ちょっとほっとしてしまう。その後は、会話はスムーズに進行。(当然ですが。。)結局、30分電話でやりとりして、ようやくInternet banking が使えるようになった。

すこし話しがごちゃごちゃしてますが、まあ、英語の電話は難しい、という話しです。それにしても何で日本人って分かったんだろう?別に日本人って言ってないのに。。

投稿者 sfujisawa : 20:48 | コメント (0)

2005年07月19日

トレーラー

アメリカのトレーラーはやたらにでかくて長い。電車の一両分ぐらいありそう。並走して走ると巻き込まれそうでけっこう怖い。

今日朝、大学へ行く途中、ハイウェイ80号線の入り口が封鎖されていた。なんでだろうとおもってのぞいて見ると、ハイウェイの入り口のカーブでトレーラーが横転していた。。トレーラーが長すぎて曲がりきれなかったんだな。。

そういえば、しゅうぞうさんも以前、同じような光景を見た、と言ってはった。アメリカではトレーラーがカーブを曲がりきれずに横転してしまうのは日常茶飯事らしい。

投稿者 sfujisawa : 22:13 | コメント (0)

PNAS 7/19

Synaptic mechanisms of persistent reverberatory activity in neuronal
networks

Pak-Ming Lau and Guo-Qiang Bi(Edited by CF Stevens)

Bi研。Networkのstimulus-induced persistent activityを調べた論文。 実験系はCultureのシングル・パッチ。特に目新しいところはなかった。Buonomano の2003 PNASの方が上かな。

投稿者 sfujisawa : 22:12 | コメント (0)

2005年07月18日

MoMAとMET

だいぶん生活も落ち着いてきたので、週末ぼちぼちマンハッタンへと繰り出してみる。Fort Leeからマンハッタンまでは、バスで1ドル。けっこうお手軽。

まずは MoMA へ。期待して行ったのだが、少し期待はずれだった。MoMAは、絵はもちろん一級品なのだが、キュレーション(展示する絵画の選択、配置、照明などのプロデュースのこと)がいまいちだった。たとえば、ピカソとフランシス・ベーコンの絵を並置したりとか、ドナルドジャッドを狭い部屋に展示したりとか、何かそれぞれの絵のオーラを相殺するような配置が多かった。(モネとクーニングの並置はちょっとおもしろかったけど。)キュレーションがいまいちだと、絵がいくら良くても楽しめない。一級品の日本酒と一級品のケーキを同時に食べさされるようなもの。ちょっとがっかり。。

そのまま帰るのもなんだったので、ついでにメトロポリタン美術館にも寄る。METのキュレーションのほうはすごかった。近・現代美術でも、MoMAよりキュレーションの格が相当高かった。特に、絵画の配置が絶妙。

例えば、下の図のような展示室の場合、A室にいるときに B室の(a)の壁面の絵画は見えてしまう。ここで、(a)に A室の主題と関連しつつ目立つ絵画を配置し、(b)には、B室の主題となる絵画でかつ(a)の絵画と関連が深いものを配置する。

A室.gif

つまり、観客は、(a)の絵のおかげで、A室の世界から自然にB室に引き込まれるが、B室に入って後ろを振り返って(b)の絵を見た瞬間に、A室とは全く違うB室の世界に引き込まれる。で、(b)の位置にどんな絵画が置いてあるかは実際に見るまでは全く想像がつかないのだが、いったん(b)の絵画を見ると、たちどころにB室の主題が感じ取れる、そういう絵画を配している。

とにかく、METのキュレーションは配置から照明、壁の色まで完全に計算し尽くされていて、安心して楽しめました。(そんなのどうでもいいじゃん、って言われそうだけど、絵画マニアには重要なことなのです!)


↑ METは改装中。

投稿者 sfujisawa : 22:32 | コメント (0)

2005年07月15日

ハーゲンダッツとプランジャーが安いアメリカ

アメリカの物価は、基本的には日本とそんなに変わらないが、安いものは異常に安い。近所に Path Mark というチェーンの巨大スーパーマーケットがあるのだが、このなかをぶらぶら歩いていると、安いものがいろいろ見つかっておもしろい。

安いもののひとつは、アイスクリーム。ハーゲンダッツの大きいカップのやつ(日本で買うと7~800円するやつ)が、2ドルちょいで売ってる。これはけっこううれしい。有名メーカー品でなくてよければ、5ドルでバケツ(!)にいっぱい入ったアイスが買える。ひとりで食べるなら、ひと夏どころか数年はもちそう。

あと、トイレが詰まったときに使う、プランジャー(plunger)(←この名前はがや先生の奥さまに教えていただいた)が異常に安い。この前、店の前に山積みされていて、値段は 1ドルだった。安!!アメリカのトイレは詰まりやすいから需要が多いんだねー。

ところで、「トイレを詰まらせる」は "clog the toilet"らしいです。りゅうたさん、今度使ってみてください。

投稿者 sfujisawa : 19:22 | コメント (0)

Science 7/15

Evidence for Ectopic Neurotransmission at a Neuronal Synapse
JS Coggan, TM Bartol, E Esquenazi, JR Stiles, S Lamont, ME Martone, DK Berg, MH Ellisman, TJ Sejnowski
なぜこのタイトルでSejnowski?とおもったら、コンピューターモデル実験だった。電顕写真から3次元再構築したモデルシナプスをつかってモンテカルロシミュレーションを行い、synaptic releaseされた ACh が extra-synapticなレセプターを活性しうることを示したもの。Sejnowski、恐るべし。

投稿者 sfujisawa : 19:18 | コメント (0)

2005年07月14日

メンバーさん

ニューヨークの美術館は、入館料が高い。メトロポリタン美術館(MET)は 15ドル、MoMAは 20ドル。いちげんさんだと思って、ぼったくってますな。東京国立博物館なんか、常設展は130円(!)だぞ。(ちなみに、METは、コロンビア大学のIDカードを見せれば無料で入れるらしく、がや先生はいつもタダで入ってたとか。さすがコロンビア大。当然、RutgersのIDカードにはそんな効力はない(涙)。)

この値段だと、もし年に何回も行くのであれば、メンバーになった方が安い。ということで、METのメンバーになることにした。僕が入会したのは「個人メンバー」で、年会費85ドル。メンバーになれば、入館はフリーパスなので、3~4回行けば、もとがとれる。さらに、美術館のショップでの割引や、夏の週末だけ会員専用レストランが使える、なども特典としてついているので、けっこう楽しめるかも。

ちなみに、メンバーにはいろいろなレベルがあって、45ドルの「学生メンバー」から、10,000ドル(!)の「パトロンメンバー」までと、幅広い。METは美術館としての顔のほかに、ハイソ向けの社交場、としての顔も持っている。上級のメンバーになると、METで開かれる特別コンサートにご招待、とか、METの特別室で個人パーティーを開ける、などの特典がある。寄付してもらう代わりに、ハイソな空間を提供しますよ、というわけですな。こういうのって、アメリカっぽいね。

投稿者 sfujisawa : 21:48 | コメント (0)

2005年07月13日

FAX

かずさんのムービングセールで、SHARPのFAX電話機と保湿器を安く売っていただいた。アメリカの冬は相当乾燥するらしく、保湿器は必須らしい。濡れたタオルを軽し絞っておいておくだけですぐ乾いてしまうぐらい、乾燥してしまうとか。

投稿者 sfujisawa : 22:29 | コメント (0)

2005年07月12日

SfN、登録した?

SfN(北米神経科学会)の参加登録とホテル予約が今日から始まった。毎年、万単位(うそかも)の人が参加するわけで、ホテル予約は早くしないと一瞬で埋まってしまう。今年はWashintonDCだから街が狭いし。というわけで、今日はラボのみんなは、予約受付が開始する、12時の30分前にはパソコンの前にすわってOnline予約の準備。今年は、予約受付開始は30分前からスタートしてた(例年そうらしい)。速攻で予約したため、今年は会場に近いホテルに予約できたぞ。

投稿者 sfujisawa : 19:59 | コメント (0)

ハンガリー・トリオ

Freund教授が昨日からラボに遊びに来てて、今日の午後、セミナーを開いてくれた。ギューリーとフロイントとソモジーの「ハンガリー・トリオ」(←僕が勝手に名付けた)は、海馬のインターニューロン研究で世界をリードしてるね。どんな人かと思ったら、大柄でのっそりしてて、目つきが鋭くて一見ちょっと怖い感じの。カナダの山奥でフライフィッシングをしてそうなイメージ。今日はカンナビノイドとインターニューロンの話し。例えば、basket cellは、immunoreactivityから2種類(PV+とPV-)に分離できて、CB1はPV-のみに発現している、とか言う話し。(←これは2003のTINSであったやつだね。)こういう解剖学的な話しをベースに、海馬でどういうretrogradeなシグナルが走っているかを明らかにしていくというストーリー。

投稿者 sfujisawa : 19:55 | コメント (0)

2005年07月11日

ファイナルセミナー

午後、かずさんのファイナルセミナー。今までの研究の総括。In vivoでの海馬・皮質からのイントラ記録実験で、動物も200匹以上実験していて半端ない。まだ未発表なので詳しくは書けないけど、メインは、(ウレタン麻酔下において)Neocortexではすべての部位で同期したUP/DOWNが存在するが、CA1,CA3,DGではUP/DOWN自体存在しない、というもの。(ただし、SubiculumではUP/DOWNが存在する。)特に、Entorhinalと海馬との関係性については、聞き応えがありおもしろかったです。(Entorhinal のイントラは超難しいらしく、すごい貴重なデータです。)

投稿者 sfujisawa : 20:04 | コメント (0)

State論文

Cerebral Cortex から、僕の論文の"accept"の返事が来た。よっしゃ!! CCには5月12日に投稿して7月10日にacceptだから、2ヶ月でカタが着いてしまった。まあでも、全体を通してみると、この論文には苦労したなぁ。。はじめの投稿は1月だったから、結局通すまでに半年以上もかかっちゃったな。

せっかくなので、論文原稿を置いておきます↓
Single neurons can induce phase transitions of cortical recurrent networks with multiple internal states
Fujisawa S, Matsuki N and Ikegaya Y
論文原稿(pdf,1.42MB)、Supplmental(理論, pdf, 0.26MB)

以下、この論文のまとめ。
<投稿の流れ>
(○Accept、△好意的 Revise、▽否定的 Revise、×Reject(括弧は推定Reviewer))
1. Neuron 1月投稿→2月Reject
×(McCormick)、△ (Sejnowski?)、▽(Steriade?)
2. JNS 3月投稿→4月Reject、
△(Pare)、×(?実験屋)
Appealするが、Editor Reject (CJ Wilson)
3. PLoS 4月投稿→5月 Editor Reject
4. CC 5月投稿→6月 Revise請求→7月 acceptable
○(Amit)、▽(?実験屋)

こう見てみると、理論屋にはまあまあ受けが良くて、実験屋にはひどく受けが悪い論文だということが分かりますな。。まあでも、たくさんのこの分野の一流の人たち(推定が正しければ)にReviewしてもらったことになるので、その点では勉強にもなったし、宣伝にもなったような気がします。

<Reviewerのコメント抜粋>
「これはMcCormickのまねじゃん」by McCormick
「Pare JNP1997を引用してないのはひどくない?」by Pare
「This is a very significant, beautifully presented and well written article. It is a special pleasure to read about the detailed and rich experimental observations and even more due to the fact that they are accompanied by a serious effort to find a corresponding theoretical conceptual framework.(←絶賛)」by Amit

<自己評価>
今読み直してみると、まだまだ未熟な論文だなあ、と思う。それでも、僕にとっては、今後の自分の研究の流れを組み立てていくにおいてとても重要な研究だったと思う。

この論文で最も重要な焦点は、生理的なニューラルネットワークにおける同期活動の形成は、どのように理論的に記述することができるか、という問題提起を行ったこと。具体的には、Hopfieldモデルのような人工ニューラルネット(Artificial Neural Network)における同期形成理論(固体物理学の応用理論)を応用することで、生理的なニューラルネットワークにおける同期活動の形成をうまく記述できるか、を考えたもの。(だから、もともとそういう問題意識がある Amit とかは、この論文のおもしろさを理解して、評価してくれている。)

ただ、今回のこの論文でじっくりと考えた結果、Hipfield理論は、そのままの形式で Biological Neural Network に応用してはいけない、ということが分かってきた。(今回の論文ではそのままの形式で応用してしまったが。)これは今後考えていかなければいけない問題だな。

投稿者 sfujisawa : 19:52 | コメント (0)

2005年07月10日

送別会

土曜日の夕方、日本人だけで、かずさんご夫妻の送別会。場所はけんじさんのお宅で。(けんじさんは最近Fort Leeに引っ越してこられたので、僕の家から歩いて行ける。)かずさんはもう来週には日本へ発ってしまわれるので、すごく残念。。Vivoイントラとかも教えてもらいたかったけど、機会がなかったな。。明日はかずさんがラボでFinalセミナーをやってくれるらしいので、すごく楽しみ。

投稿者 sfujisawa : 22:34 | コメント (0)

2005年07月08日

免許リベンジ

今日、朝少し実験した後、もう一度免許の取得のチャレンジに行く。前回と同じ、Lodi免許試験所へ。今回はIDチェックはパスして、いきなり試験会場へ。またもや落ちやしないかとびくびくしながら試験を受けたが、今回はなんとか合格。その後の手続きに少しまごついたが、数十分後になんとかNJ免許証をゲット。やったね。

これで、当初考えていた、アメリカでの初期の大きなセットアップ(アパート探し、Social Security Cardの取得、銀行口座の開設、電話・ネットの接続、大学のIDカードと鍵、自動車の購入、自動車保険、免許の取得)はとりあえず終わったことになる。(まだ細かいのはいろいろあるけど。)結局、2ヶ月もかかっちゃたね。英語もアメリカのシステムもよく分からず、まごついたからね。。

Lodi.gif
↑Lodi免許試験所(雨)

投稿者 sfujisawa : 21:41 | コメント (0)

アメリカの法則

2ヶ月間、アメリカ式手続きに悪戦苦闘してきて、つぎのような「アメリカの法則」なるものを発見した。

(1) アメリカでは、役所や大学や会社で、依頼した書類仕事などが期限通りにきちんと行われる確率は50%である。
(2) もし仕事が期限通りに行われなかった場合、そのままにしておくと、100%の確率で永遠に行われない。
(3) だから、その場合、必ず抗議に行かなければいけない。ただ、抗議に行ったとしても、次の期限までに行われる確率は50%である。だから、きちんと行われるまで永遠に抗議に行かなくてはならない。
(4) アメリカでは抗議はごく当たり前なので、抗議する側も対応する側も、ごく自然に応対している。日本のように抗議に気を遣う必要は全くない。英語ができなくても特に問題ない。
(5) アメリカ人は、このような状況について、改善する意志はおろか、全く疑問にすら思っていない。すなわち、永遠にこのままである。

しかし、子供の頃からこういう環境にいると、強くなれそうね。特に、研究者になるには良い癖がつくかも:「何か実験・試行を行ってうまくいく可能性は数%である。もしうまくいかなかった場合、放っておいても何も進展しない。だから次の試行を行わなければいけない。それでもうまくいく確率は数%。でもうまくいかないのが普通なので落ち込む必要は全くない。これは自然の摂理だから受け入れるしかない。」うーん、研究とアメリカは酷似している。。だからアメリカでは研究が強いのか?

投稿者 sfujisawa : 21:39 | コメント (0)

CC

Cerebral Cortexから、reviseの返事が来て、再Reviseを要求された。でも、今度は簡単な図の直しだけで、Reviewer#2も今回は好印象だったので、今度はなんとかなりそうな雰囲気。さっそく図を直して、がや先生に再投稿してもらう。

投稿者 sfujisawa : 21:38 | コメント (0)

2005年07月07日

ラット

今のラットで、もう2~3週間、慢性実験を行っているが、だいぶユニットが見えなくなってきた。そろそろ潮時かな。一番はじめに手術したラットだから、愛着があるのだが、仕方がない。。せっかくなので、ラットの記念撮影。


プレアンプ接続時(左)と休憩中(右)

投稿者 sfujisawa : 21:46 | コメント (0)

Nature 7/7

Dynamic predictive coding by the retina
Toshihiko Hosoya, Stephen A. Baccus and Markus Meister

Meisterのグループ。いつもの、salamander(サンショウウオ)の網膜を組織切片として単離して61電極arrayにのせてganglion cellの発火のunitを調べる実験。網膜では、視覚入力(光)に対して、入力の絶対値をコードしているのではなく、入力の変化をコードしているらしい。では、動物が異なる環境下に移動した場合、網膜はどのようにadaptaionを行っているか、というところに焦点をあてた論文。難しそうなのであまり詳しく読んでない。

Nonlinear dynamics: When instability makes sense
Peter Ashwin and Marc Timme

News&Viewsなんだけど、紹介している論文は古い論文ばっかりだった。。論点は、力学系ダイナミクスの安定性について。力学系で議論されるのは、安定点や安定なリミットサイクルのことが多いが、ニューラルネットワークなどのダイナミクスでは、不安定な鞍点が重要なのではないか、という提案。つまり、リミットサイクルでは安定な状態に落ち込んでしまっている状態だが、鞍点は不安定でその場に長い間とどまることができないので鞍点間の飛び移りが生じるので、sequence情報をencodeするのに重要なのではないか、という話し。それで、紹介されていたのが以下の論文↓:

Reproducible sequence generation in random neural emsembles
Huerta R and Rabinovish M, Phys Rev Lett 93,238104 (2004)
興奮性(E)、抑制性(I)を含むランダム結合のニューラルネットで、どのような結合の時に、繰り返し生じる「Sequence」や、リミットサイクルが生じるか、ということを調べた論文。リミットサイクルは、E-Iバランスがとれているときに生じやすいが、Reproducible sequenceはEIバランスには関係ない、という結論。(Cortical Songを彷彿とさせる論文ね。)ただ、力学系の問題などがきちんと議論されているわけではなく、PhysRevLettにしてはなにか不完全燃焼的な印象を受ける論文。

これ系の内容は、neural network の sequence code の問題に対して本質的に重要だから、きちんと数学的に議論できる枠組みが早くできたらいいのにな。

投稿者 sfujisawa : 21:41 | コメント (0)

2005年07月06日

Linux

ブザキ研では、測定系ではWindowsマシンを使っているのだが、解析系ではLinuxマシンを使っており、クラスター解析などの主要ソフトはすべてLinux上で動くようになっている。しかし、いままでUnix/Linuxマシンなど使ったことがないので、何をどうしてよいのかが全く分からない。。英語ができないのはある程度覚悟してたからしょうがないけど、パソコンができないのはけっこうな屈辱である。。

とりあえず、ジョン(パートで来てもらっているラボのコンピューターテクニシャン)に頼んで、僕のノートパソコンのWindows上でLinuxを使えるようにしてもらった。NXというフリーソフトをインストールしてもらい、LinuxのX-Windowが立ち上がるようになる。しかし、やはりX-Windowを前にして、何をどうしていいのか、。。。あー、Linuxを勉強しないといけないなー。。。

投稿者 sfujisawa : 18:02 | コメント (0)

2005年07月05日

もう夏ね。

今週から、ギューリーがいない。カナダでの学会、日本での学会、およびバカンスなどで、7月は二週間以上いない予定だし、8月はほとんどいないらしい。おかげでラボはのんびりしたムード。(まあうちのラボはいつものんびりしたムードだけど。)しかし、ギューリーいないと物品や動物の注文ができなくて困るなー(サインがもらえないから)。はやいとこ必要なものを見積もっておかないと。。

投稿者 sfujisawa : 21:20 | コメント (0)

2005年07月04日

独立記念日

今日は独立記念日で休日。ラボに行ってみるがあまり人は来てなかった。4~5人かな。やることはたくさんあるのだが、まだ頭がボーとして仕事に手がつかないので早めに帰宅。独立記念日なので、近所で花火の打ち上げをやっていた。(けっこう近所でやっているからドカンドカンうるさい。)

投稿者 sfujisawa : 20:18 | コメント (0)

2005年07月03日

週末

風邪ひいた。。頭痛がして腹痛がして喉が痛くて痰がつまる。。ミツワをのぞいたら日本の風邪薬を置いてあったので(なぜがSato製薬のものしかなかったが)買って帰る。ちょろっとラボに行った以外は家でずっと寝てました。退屈だけどしょうがない。。

投稿者 sfujisawa : 21:38 | コメント (0)

2005年07月01日

今日朝、ディーラーへ車を取りに行く。レンタカーはもう返したので、ディーラーまで歩いて行く(約30分)。ペーパーワークをいろいろとやってもらい(仮ナンバープレートの発行など)、昨日銀行で作ったOfficial Checkで支払いをおこない、晴れて契約が成立。その場で自動車を渡してもらいました。ふぅ。。自動車の購入は比較的あっさりと進んで良かった。。

DSCN0135g.gif
ごくふつうのカローラですが、とりあえず撮影。

投稿者 sfujisawa : 20:11 | コメント (0)

JP 7/1

Dynamic synapses as archives of synaptic history: state-dependent redistribution of synaptic efficacy in the rat hippocampal CA1
Takuya Yasui, Shigeyoshi Fujisawa, Masako Tsukamoto, Norio Matsuki, and Yuji Ikegaya
ヤスの論文。僕も解析の手伝い(Mutual Entropyのところ)で名前を入れてもらいました。それにしても、彼はよく頑張ったなー。17ページの大論文ですね。

投稿者 sfujisawa : 20:10 | コメント (0)