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2005年07月18日
MoMAとMET
だいぶん生活も落ち着いてきたので、週末ぼちぼちマンハッタンへと繰り出してみる。Fort Leeからマンハッタンまでは、バスで1ドル。けっこうお手軽。
まずは MoMA へ。期待して行ったのだが、少し期待はずれだった。MoMAは、絵はもちろん一級品なのだが、キュレーション(展示する絵画の選択、配置、照明などのプロデュースのこと)がいまいちだった。たとえば、ピカソとフランシス・ベーコンの絵を並置したりとか、ドナルドジャッドを狭い部屋に展示したりとか、何かそれぞれの絵のオーラを相殺するような配置が多かった。(モネとクーニングの並置はちょっとおもしろかったけど。)キュレーションがいまいちだと、絵がいくら良くても楽しめない。一級品の日本酒と一級品のケーキを同時に食べさされるようなもの。ちょっとがっかり。。
そのまま帰るのもなんだったので、ついでにメトロポリタン美術館にも寄る。METのキュレーションのほうはすごかった。近・現代美術でも、MoMAよりキュレーションの格が相当高かった。特に、絵画の配置が絶妙。
例えば、下の図のような展示室の場合、A室にいるときに B室の(a)の壁面の絵画は見えてしまう。ここで、(a)に A室の主題と関連しつつ目立つ絵画を配置し、(b)には、B室の主題となる絵画でかつ(a)の絵画と関連が深いものを配置する。
つまり、観客は、(a)の絵のおかげで、A室の世界から自然にB室に引き込まれるが、B室に入って後ろを振り返って(b)の絵を見た瞬間に、A室とは全く違うB室の世界に引き込まれる。で、(b)の位置にどんな絵画が置いてあるかは実際に見るまでは全く想像がつかないのだが、いったん(b)の絵画を見ると、たちどころにB室の主題が感じ取れる、そういう絵画を配している。
とにかく、METのキュレーションは配置から照明、壁の色まで完全に計算し尽くされていて、安心して楽しめました。(そんなのどうでもいいじゃん、って言われそうだけど、絵画マニアには重要なことなのです!)
投稿者 sfujisawa : 2005年07月18日 22:32
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