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2005年07月07日

Nature 7/7

Dynamic predictive coding by the retina
Toshihiko Hosoya, Stephen A. Baccus and Markus Meister

Meisterのグループ。いつもの、salamander(サンショウウオ)の網膜を組織切片として単離して61電極arrayにのせてganglion cellの発火のunitを調べる実験。網膜では、視覚入力(光)に対して、入力の絶対値をコードしているのではなく、入力の変化をコードしているらしい。では、動物が異なる環境下に移動した場合、網膜はどのようにadaptaionを行っているか、というところに焦点をあてた論文。難しそうなのであまり詳しく読んでない。

Nonlinear dynamics: When instability makes sense
Peter Ashwin and Marc Timme

News&Viewsなんだけど、紹介している論文は古い論文ばっかりだった。。論点は、力学系ダイナミクスの安定性について。力学系で議論されるのは、安定点や安定なリミットサイクルのことが多いが、ニューラルネットワークなどのダイナミクスでは、不安定な鞍点が重要なのではないか、という提案。つまり、リミットサイクルでは安定な状態に落ち込んでしまっている状態だが、鞍点は不安定でその場に長い間とどまることができないので鞍点間の飛び移りが生じるので、sequence情報をencodeするのに重要なのではないか、という話し。それで、紹介されていたのが以下の論文↓:

Reproducible sequence generation in random neural emsembles
Huerta R and Rabinovish M, Phys Rev Lett 93,238104 (2004)
興奮性(E)、抑制性(I)を含むランダム結合のニューラルネットで、どのような結合の時に、繰り返し生じる「Sequence」や、リミットサイクルが生じるか、ということを調べた論文。リミットサイクルは、E-Iバランスがとれているときに生じやすいが、Reproducible sequenceはEIバランスには関係ない、という結論。(Cortical Songを彷彿とさせる論文ね。)ただ、力学系の問題などがきちんと議論されているわけではなく、PhysRevLettにしてはなにか不完全燃焼的な印象を受ける論文。

これ系の内容は、neural network の sequence code の問題に対して本質的に重要だから、きちんと数学的に議論できる枠組みが早くできたらいいのにな。

投稿者 sfujisawa : 2005年07月07日 21:41

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