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2005年11月30日
Nature Neurosci 12月号
なんか、Peter Dayan が2報も載ってますね。。
Matching storage and recall: hippocampal spike timing–dependent plasticity and phase response curves
Mate Lengyel, Jeehyun Kwag, Ole Paulsen & Peter Dayan
理論(ちょっと実験付き)。連想記憶の encoding と retrieval について。ある記憶のパターンが、ニューロンの発火 phase により表現されるとする。Encoding過程において、シナプス重み wij が、spike-timing dependent plasticity によってモジュレートされるとする。Retrival過程においては、pre の発火が、post の発火 タイミング に対して影響を与えることによって、記憶されたニューロン群の発火パターンを誘起する。さて、ここで、pre の発火が post の発火 タイミング に対してどのように影響の与えると、encodeしたパターンをもっとも最適に誘起できるか、というのを理論的に導出した、という内容。
* * *
N個のニューロンのネットワークを考える。ネットワークのシナプス重み分布は wij とする。情報は、ニューロンの発火タイミングによってコードされるとする。M個のパターンを記憶するとする。
x1 , x2 , ・・・ , xM
ここで、xim は、m 番目のパターンにおける、i 番目のニューロンの発火タイミングを示す。(太字はベクトル。)( Hopfield Network では、xim は0か1かのバイナリを考えるが、この論文では、ある基準時間からの時間差を考える。)
ある cue 入力 x' によって、パターン xm が誘起されたら、連想記憶が形成されていることになる。
ここで、x', wij に対するパターンxの誘起確率
P[ x | x', wij ] (x ∈ {xm})
を最大化するような retrival はどのように記述されるか、という考え方の枠組み。
で、彼らの結論は、encoding 過程において、シナプス重み wij の変化が、ある関数 Ω によって
Δwijm = Ω(xim, xjm)
と記述される場合、Retrieval 過程において、上述のような P を最適化するように retrive するには、pre の発火があたえるpost の発火 タイミング に対しての影響が以下のような関数で記述されればいいらしい;
H(xi , xj) = wij ・ ∂xi (Ω(xi , xj)) (論文中、式(3))
つまり、Ωの微分に比例。
たとえば、Encoding が Fig.1b のような関数によってなされる場合、retrieve は、その微分をとって、Fig1c のような関数でなされるのが最適、ということらしい。このような関数を、彼らは "phase response curve" と呼んでいる。
で、海馬ニューロンでは、intrinsic property として、このような phase response 特性をもっている、ということを実験的に示してます。
うーん、それにしても Dayan の論文はムズい。。なんかわかったようなわからんような論文ですね。。
投稿者 sfujisawa : 2005年11月30日 19:29
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