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2006年03月14日
セミナ
今日のラボミーティングは、NYU からいらした Castellanos 教授のトーク。ADHD(Attention-Deficit/Hyperactivity Disorder: 注意欠陥・多動性障害)の研究をしている人で、NRN にレビューとか書いてる人みたい。
ADHD の病因としては、Genetic なものと、Enivironmental なものが考えられているらしいですが、Genetic なものでは、dopamine transporter(DAT)や dopamine receptor D4(DRD4)などが原因遺伝子として考えられているどうです。一方、environmental なものでは、大脳基底核の損傷により ADHD になることがあるそうです。どちらにしても、dopamine 系が絡んでくるようです。
それで、今日の話は、ADHD と slow oscillation の関係についての話でした。ここでの slow oscillation は、~0.05 Hz といった、すごい slow な oscillation のことらしいです。
で、彼のこの論文の話。
(1) ADHD の患者に対して、Eriksen Flanker task という課題を行ったとき、その reaction time の時間経過を見てみると、ADHD 患者の場合では reaction time の variability が 0.05 Hz 程度の周波数で揺らいでいる(図2)。このとき、Methylphenidate というドパミン亢進系の薬物で、この variability が減少した。
(2) ラットの大脳基底核において、覚醒下で発火数を記録したところ、発火数は 0.05 Hz 程度の周波数でゆらいでいた(図1)。そして、その揺らぎはドパミン dependent であった。
それで、大脳基底核での発火数の 0.05 Hz 程度のゆらぎと、この reaction time の 0.05 Hz 程度のゆらぎと関係しているのではないか、というのが彼の予想です。つまり、大脳基底核での slow oscillation と、attention を絡めたいみたいです。
まあ、Singer の論文で、Response latency と LFP fluctuation の関係を論じてる論文もあるし、まあ、上の予想はあり得る話だとはおもう。今後、どうやって実際の ADHD 患者の大脳基底核での slow oscillation を評価していくか、という点でしょうね。
投稿者 sfujisawa : 2006年03月14日 21:13
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